北高上緑地.愛

里山は、多くの命の居場所になっています。日進市中心部に位置する貴重な里山・北高上緑地。一部エリアとはいえ、そこを宅地開発しようという計画には賛同できません。次世代に〝あるがままの自然〟を引き継いでいきたいと思います。

■北高上緑地内の中電所有地の保全を求め日進市長に要望書を提出

 

 「北高上緑地(8.6㌶)の一部が開発されて宅地に!?」―こんな情報が流れ、市民の間から心配する声が出始めてから、ほぼ半年。日進市岩崎町の里山・北高上緑地の今後を見据えた調査・研究を進めている市民グループ「北高上緑地を愛する市民の会」は25日、近藤裕貴市長に緑(自然)の保全を求める要望書を提出しました。

      

 

 「『開発』されてしまうのでは?」と市民の不安が募っているのは、中部電力の100%子会社・中部電力パワーグリッドが同緑地内に所有する土地0.3㌶。2010年(平成22)年3月、分社化する前の中部電力が同市に無償貸与する契約を結び、その土地が北高上緑地に編入されました。
 ところが、今春、「中電が日進市との契約を解消し、その所有地を売却したい意向を持っている」という話が広がり、同時に緑地内の同社所有地や、同緑地と隣接する民有地一体で測量も行われました。
 要望書は、①隣接する民有地と一体となった開発が行われれば、かなりの樹木が伐採される②緑地内の散策路の一部が消滅するため、散策路の付け替えが必要になる③この散策路に隣接した「竹林広場」で毎年6月に市民を対象に行われている竹炭焼き体験イベント(同市主催)の開催が危ぶまれる―などの4項目の影響や問題点を指摘。
 そのうえで①同社に対し、従来通り日進市に無償貸与する契約を継続するよう強く要請する②市が自ら「市のシンボル的な緑」として位置付けている同緑地の自然を守るため、同社所有地や周辺の民有地も含め買収や借地などを検討する―ことを市に文書で要望しました。
 これに対し市は同社に対し「従来通り、市との契約を継続するよう求めていく」などと回答しました。
 同会はこのほか、口頭で「緑を保全するための将来に向けての提案」として、①開発など個別の案件を検討する前に、まず、人口予測や求められる行政需要に基づき、市のきちんとした将来像を描く②緑が失われるリスクを想定し、基金などを活用した森の買収に取り組む③開発か自然保護かの二者択一ではなく、問題を解決する糸口を探るフレキシブルなさまざまな方策を検討する④開発行為が行われる際、多くの市民にとって〝寝耳の水〟となることを避けるため、情報をオープンにして丁寧な説明をすることを心掛け、そのうえで行政と市民、専門家らも加わってみんなで話し合い、知恵を絞るような機会と場を設ける―ことなど5項目を提言しました。
 同会は近く、中部電力パワーグリッド社に対しても、日進市に無償貸与している土地について、市との契約を継続し、今まで通り市民が利用できるようにすることを求める要望書を提出する予定。さらに、近く署名活動も始め、多くの市民の賛同を得ることにしています。
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